さくらの花が舞う頃に
鬱陶しい
さくらside
♪♪♪〜
お気に入りの音楽を流したイヤホンを耳に突っ込んでゆっくりと歩く。
登校途中に音楽を聴くのは、メグや佳奈と仲良くなる前の一学期以来だ。
久しぶりにつけるイヤホンから流れる音楽は、耳に心地よく、
周りのうるさい無駄な音を遮断してくれる。
今まで、どうしてつけなかったのか不思議に思うくらい。
現実なんて見たくない。
こんなに辛くて厳しい現実なんか。
私はいつしかそう思うようになっていた。