さくらの花が舞う頃に
────全てはあの、吉澤先生に振られた日から。
あのとき、私の中で何かが壊れた。
そう感じた私の心はあながち間違ってはいなかった。
何が壊れたのかは自分でもわからない。だけど、自分の中にある「何か」が確実に壊れたんだ。
たかが振られただけ、と思うかもしれない。
私自身も、こんなんで何かが壊れるだなんて馬鹿馬鹿しいとは思う。
だけど、それほど私の中で吉澤先生の影響力は大きかったということだ。