さくらの花が舞う頃に




戸山くんがちらっと私を横目で見る。



「当たり前じゃん」



「…………」



私は何も応えなかった。



応えることができなかった。



私を励ましたり、慰めたりしてくれるのは、いつだって吉澤先生かメグや佳奈だった。



その吉澤先生には振られて、メグと佳奈は自分から突き放してしまった。



もう私の心の支えになってくれる人はいない。




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