さくらの花が舞う頃に
メグと佳奈
「んー、そろそろ戻る?」
戸山くんがそう言ったのは、ちょうど下校の時刻を知らせるチャイムが鳴ったときだった。
彼なりに気を遣ってくれたみたい。
だけど、そのせいで結局、今日の授業をほとんどサボらせることになってしまった。
「ごめんね、授業サボらせちゃって。
私だけの問題なのに巻き添えにしちゃったね」
「いいって。勝手についてきて、勝手にサボったのは俺だし。
まあ、たぶん怒られるだろうけどさ」
戸山くんが肩をすくめてそう言う。