さくらの花が舞う頃に




やっぱり、巻き添えにしちゃって申し訳なかったな……



そう思っていると、



「で、どうすんの?もうほとんど生徒もいないだろうし、帰るなら今しかないよ」



戸山くんがベンチに座っている私の横でそう言う。



たしかに、そろそろ帰らないと先生たちが見回りに来ると思う。



それに、私たち三年は部活がないから、みんなほとんど学校に残っていないだろう。



まあ、吉澤先生はいると思うけど………



でも、そんなことを気にしていたらキリがない。



私は、半日間座り続けていたベンチからやっと腰を上げた。



それを見て、戸山くんも立ち上がる。



特に何も言わなかったけど、私たちはそのまま屋上をあとにした。




< 282 / 463 >

この作品をシェア

pagetop