さくらの花が舞う頃に
やっぱり、巻き添えにしちゃって申し訳なかったな……
そう思っていると、
「で、どうすんの?もうほとんど生徒もいないだろうし、帰るなら今しかないよ」
戸山くんがベンチに座っている私の横でそう言う。
たしかに、そろそろ帰らないと先生たちが見回りに来ると思う。
それに、私たち三年は部活がないから、みんなほとんど学校に残っていないだろう。
まあ、吉澤先生はいると思うけど………
でも、そんなことを気にしていたらキリがない。
私は、半日間座り続けていたベンチからやっと腰を上げた。
それを見て、戸山くんも立ち上がる。
特に何も言わなかったけど、私たちはそのまま屋上をあとにした。