さくらの花が舞う頃に




屋上を出た私たちは、そのまま校門へと向かった。



思ったとおり、生徒はほとんどいない。



この調子だったら、誰にも会わずに家に帰れるかも。



明日と明後日は学校が休みだけど、来週になればもちろん学校がある。



クラスメイトにも会う。



だから、今日こんなにコソコソしてても意味ないんだけど。



それでも、今は誰にも会いたくない。



戸山くんもそれをわかっているのか、「こんなことしてても無駄だよ」とか、

「来週にはみんなに会うんだし、意味ないよ」とは言わなかった。




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