さくらの花が舞う頃に




ところが、そんなメグとは対照的に、佳奈はじっと私を見つめていた。



全てを見透かされそうなその視線に、なかなか目を合わせることができない。



「もう、心配してたんだよ!あ、そういえば」

  

「さくら」



明るく話を続けようとしていたメグを佳奈が遮った。



突然名前を呼ばれて、ビクッとしたのが自分でもわかった。



そっと顔を上げると、佳奈と目が合う。




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