さくらの花が舞う頃に




目の前にいる佳奈は、未だに私をじっと見つめている。



それを見て、今のは決して聞き間違いなんかではなかったのだと実感した。



「ちょっ…………佳奈!」



慌ててメグが佳奈を止めようとする。



でも佳奈はやめなかった。



「今日の行動、どういうこと?

そりゃ、さくらにはさくらの事情があって、うちらに当たったのもそれが原因だと思う。

だから、それに関しては私は何も思ってないよ。

むしろ、初めて本気でぶつかってきてくれて嬉しかった。だけどさ」



佳奈は一回そこで切って、私の目をまたしっかりと見つめた。




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