さくらの花が舞う頃に




やっと戸山くんが足を止めたところは、住宅街からかけ離れたところだった。


 
「ここ…………は?」



「ショッピングモール」



いやいや、そんなことは見ればわかるんだけど!!



私が聞きたいのは、なんでこんなところにいるのか、ということで………



そんな私の心の声が聞こえたかのように、戸山くんが私の方を向いて言う。



「俺さ、観たい映画があるんだよね。付き合ってよ」



え、映画?




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