さくらの花が舞う頃に
いじめ
裕翔side
「それで、ここを解くと二次関数となる」
今日の四時限目は俺の数学の授業。
これ終わったら弁当だからって半分以上のヤツが浮かれてる。
まあ、気持ちもわかるから注意なんてめんどくさいことしないけどな。
だけど今日は珍しく「アイツ」も授業を聞いてない。
大橋さくら─────
数週間前に、俺が勢い余って告ってしまった女子生徒だ。
新学期始まって早々、ほぼ初対面の生徒にいきなり告るなんて自分でもアホだと思うよ。
だけど、なぜかあの女子生徒─────大橋さくらが気になった。
クールで滅多に笑わない、他の生徒とは少し違う存在。
だけど、その横顔は散る寸前のさくらの花みたいで………
…………って俺は変態かよ。
なんでこんなに一人の女子生徒を分析してんだよ。
自分で言ったことに自分でツッコんでいると、いつの間にか授業終了のチャイムが鳴り響いた。