さくらの花が舞う頃に




戸山くんの後ろに、一瞬だけ見覚えのある顔が見えた。



大好きな、大好きなあの人の顔。



そして、その隣に…………






さっきから、私の視線が自分を通り越していることに気がついた戸山くんが、

怪訝そうに後ろを振り返る。



「あっ」



自分の後ろにいた人物に気づいて戸山くんが思わず声を出すと、

その人が、戸山くんとその後ろにいた私に気づいた。




「なん………で…………?」




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