さくらの花が舞う頃に
「うっわ〜。なにこの眼鏡」
「だっせー」
甲高い女子の声が響きわたって、さっきまで騒がしかった教室が一瞬で静まり返った。
教室の隅に女子が3人、輪になって立っている。
その真ん中に女子が一人、うずくまるようにして座っていた。
眼鏡をかけた、おとなしそうな女子生徒が。
「こんなだっせー眼鏡かけてるから、友達できないんじゃね?」
「それなー。だれもこんなやつと友達になりたくないし」
ギャハハッとまた大きな声で笑う。