さくらの花が舞う頃に
仲直り
トン、と音を立てて靴箱の前に立つ。
吉澤先生への想いを消しながら歩くことは、一歩を踏み出すのにとても苦労したけど、
それでも自分が新しい道へと進んでいる気がした。
これでいいんだ、と自分に言い聞かせる。
戸山くんの告白の返事はまだしていないけど、あのあと戸山くんはいつでもいいと言ってくれた。
そのこともちゃんと考えないと。
中途半端なままにしておいたら、こんな私に告白してくれた戸山くんにも失礼。
そんなことを考えながら、ローファーを自分の名前が書かれた靴箱に入れようとすると、
ふと、ある2つの名前が目に入った。