さくらの花が舞う頃に




「ごめんなさい!!」



勢いでばっと頭を下げた。



突然のことに二人が困惑しているのが頭上から伝わってくる。



だけど、そんなの構わない。



今は自分の気持ちを伝える方が先。



「二人が前に言ったとおり、私は後夜祭で振られた。

でも、だからって二人にきつく当たってごめん!

二人は何も聞かずに、いつも通り明るく接してくれたのに、それを踏みにじるようなことしてごめん!」



「………さくら?」



「自分勝手で、わがままで、私はどうしようもなく弱い人間なの。

だから、二人の強さに触れて、すごく自分が情けなかった。

何も相談せずに、結果的に二人を傷つけたこともわかってる。本当にごめんなさい」



静かな教室に私の声だけが響き渡る。



そして、話し終わったあともその静けさは続いた。





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