さくらの花が舞う頃に




佳奈は私の言葉を聞いて、はっとうつむいていた顔を上げた。 



私と佳奈の目が合う。



そんな当たり前のことがなぜか私にはすごく嬉しかった。



「………さくら」



佳奈の目に、みるみる涙が溜まっていく。



「佳奈。………………大好きだよ」



ちょっとためらったけど、私は佳奈にそう伝えた。




「…………さくら!」



「きゃっ!」



佳奈が思いっきり私に抱きついてきた。




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