さくらの花が舞う頃に
「お前さ、結局スキー用品買えたの?」
そんな結衣に何気なく聞いてみる。
「え………… あ、まだ」
いきなり声をかけられた結衣は、ものすごく驚いた顔で俺を見ていた。
それもそのはずだけど。
驚く結衣にお構いなしに俺は続ける。
「じゃ、今度買いに行こ。俺もまだ買ってないし」
「え………… あ、うん」
結衣が信じられない、といった顔でうなずく。
これから先、もうずっと俺とは喋れないかもとか思ってたんかな。
まあ、最初は俺もそのつもりだったし、今でもあの結衣の言動を許したわけじゃない。
だけど………