さくらの花が舞う頃に




そのあと学校に着くとクラス発表があり、さくらが俺のクラスの生徒だということを知った。



だけど、学校にいるときのさくらは、あのときの優しい笑顔など少しも見せなかった。



あんな優しい顔ができるのに、なんでわざわざこんな冷たい顔をしているのか。



性格も気難しそうで、クラスメイトを無視するなんて日常茶飯事。



そんなさくらにものすごく興味が湧いた。



鍵を学校に落として、教室に探しに来たさくらに告ったのも興味本位だった。



普通の女子に告ったらきっと、冗談だと受け止めてノッてくれるか、

本気にしてギャーギャー騒ぐかのどっちかだろう。



さくらはどっちのタイプなのか、そう思って告ってみた。



こう考えると、俺ってめっちゃ性格悪い。



だけど、さくらはどちらのタイプでもなかった。



まるでそんなことなかったかのような平然とした態度。




< 379 / 463 >

この作品をシェア

pagetop