さくらの花が舞う頃に
もう俺は、さくらのことを本当に諦める。
もう二度と、あの後夜祭のときのような顔をさくらにさせないために。
あの優しい笑顔をさくらが当たり前にできるようにするために。
むかつくけど、戸山の言ったことは正論だった。
思い返すと、俺はさくらを傷つけてばかりだった。
だから、もう俺は…………
バンッ!!
そのとき、鈍い音が響いて、俺の足もとにボールペンが転がってきた。
視線をうつすと、教室の入り口付近に落ちている学級日誌。
そして…………