さくらの花が舞う頃に





は?



嘘?



目が点になる俺を見ながら、結衣はさらに続ける。



「だって、あんなに騒がれて裕翔困ってるみたいだったし。一種の人助けってやつ?」




いや、お前が介入したせいでさらに騒がしくなったし、打ち合わせがなかったんなら

あのまま10回勝負のじゃんけんが決まるのを待ってた方が早く終わった………



ほんとはそう言いたかったけど、せっかく助けてくれたんだし、と口に出かかってる言葉を慌てて

引っ込める。



その代わりに、




「……おせっかい」




結衣の横顔に小さくそうつぶやいてみた。




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