さくらの花が舞う頃に



昇降口に貼りだされたクラス表を見にいくと、そこには既にたくさんの人が群がっていた。



早くクラスを確認して、こんな人が多いところからは抜け出そう。



そう思って前の方に行こうとしても、男子の背が高すぎてクラス表なんか全く見えない。



力尽くで前にいる体格のいい男子を押してみても、当然びくともしなかった。




「健太ー!お前、何組だった?」



「4組、4組!」



「まじ?俺らと一緒じゃん!」



「のんちゃーん!どうしよう、雅也くんとクラス離れちゃった……」



「大丈夫だって!雅也、絶対花乃のこと好きだよ?」



もうクラス替えの表を見たらしい人たちの声が後ろから聞こえてきた。



ちょっとクラスがよかったからって、一喜一憂してる人たちの声が。



………バッカじゃないの。




クラス替えの興奮なんて、3日たてばすぐ冷めちゃうのに。愚かな人たち。



私が心の中でそう毒づいていると、やっと前の男子がどいてくれた。




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