さくらの花が舞う頃に
スキー合宿 〜カイロを巡って~
さくらside
「まもなく到着しまーす。隣の席の人が寝てたら起こしてあげてね」
バスガイドさんの声が聞こえて、私は読んでいた雑誌から顔を上げた。
「佳奈、もう着くって。起きて起きて」
バスガイドさんに言われたとおり、隣の席で寝ている佳奈を起こす。
「ふわぁ〜〜…… え?もう着いた?」
佳奈があくびをしながら辺りを見渡す。
やがて、私たちを乗せたバスがゆっくりと止まった。
みんなが荷物を持って、2時間座り続けていた座席から腰を上げる。
私と佳奈も荷物をまとめて座席から立ち上がった。
「あ〜、腰いて~。首いて〜」
まるでおばあさんのようなことを言うメグと合流して、私たちはバスの出口へと向かう。