さくらの花が舞う頃に




「……………」



そんなにバレバレだったのかな………



なんかちょっと恥ずかしい。



さらに顔が赤くなった私を見て、戸山くんがカイロを持っていない方の手で顔を覆う。



「ちょっと意地悪した。ごめん」



戸山くんはそう言うと、私にカイロを返して足早に雪の中を歩いて行った。



やがて、荷物を持って歩く他の生徒たちに紛れて見えなくなって。



気がつくと、吉澤先生の姿もなかった。




なんか、よくわかんない人だな。




吉澤先生も、……………戸山くんも。





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