さくらの花が舞う頃に





…………え?




「佳奈が人を褒めた………」



メグが何気に失礼なことをつぶやいたけど、私も佳奈がこんなにストレートに褒めるとは思わなかった。



案の定、褒められた本人である宮下くんは口をパクパクさせて動揺を隠せない。



せっかく顔の熱が引いてきたのに、今の佳奈の一言でますます顔が赤くなっちゃってる。




「おい、宮下。もういっそのこと、今から告っちゃえば?」



そのとき、宮下くんの友達の男子が宮下くんにそう耳打ちしたのが聞こえた。



佳奈は聞こえなかったみたいだけど、その横にいたメグには聞こえたようだ。



「え、ちょっ………!」



メグが何かを思い出したようで、慌てたような声を上げる。




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