さくらの花が舞う頃に
「なに?」
佳奈がそう声をかけると、宮下くんはまるで漫画のように肩を大げさにビクリと震わせた。
「え………っと……」
宮下くんはこのまま振られてしまうんだろうか。
だって佳奈は宮下くんとは付き合えない。
でも、だからといってこのまま振られるのを黙って見ているのは………
私がそう気を揉んでいたそのときだった。
「あ、そうだ」
突然、佳奈が何かを思い出したかのように声を上げた。
いきなり声を上げた佳奈に驚いたのか、宮下くんが真っ赤な顔をあげる。
そんな宮下くんに構わず、佳奈がとんでもないことを言った。