さくらの花が舞う頃に




「なに?」



佳奈がそう声をかけると、宮下くんはまるで漫画のように肩を大げさにビクリと震わせた。



「え………っと……」



宮下くんはこのまま振られてしまうんだろうか。



だって佳奈は宮下くんとは付き合えない。



でも、だからといってこのまま振られるのを黙って見ているのは………



私がそう気を揉んでいたそのときだった。



「あ、そうだ」



突然、佳奈が何かを思い出したかのように声を上げた。



いきなり声を上げた佳奈に驚いたのか、宮下くんが真っ赤な顔をあげる。



そんな宮下くんに構わず、佳奈がとんでもないことを言った。






< 422 / 463 >

この作品をシェア

pagetop