さくらの花が舞う頃に




空気が読める佳奈に限って、そんな心ない行動をするとは思えない。



もしかしたら何か考えがあるのかな。



普段の佳奈の性格を知っている私はそう思ったけど、当然、宮下くんは顔面蒼白になって固まっている。



「け………健太?」



宮下くんがやっとの思いで発した言葉に、佳奈が笑顔でうなずいた。




「白井 健太。隣のクラスの…………私の彼氏」



佳奈がそう言った瞬間、宮下くんの目が大きく見開かれる。




「白井くん」の存在は、私も体育祭の前にメグから聞いた。



後夜祭の花火も一緒に見たと言っていたし、付き合っているのはほんと。




だけど。




そんなにはっきり言うなんて………



佳奈、いったいどうしちゃったんだろう。




< 424 / 463 >

この作品をシェア

pagetop