さくらの花が舞う頃に





どんどん地面が近づいてきて、そのまま顔面から叩きつけられる。




大きな衝撃が体中を伝わった。



真っ白な雪が積もっていたおかげで顔はそんなに傷つけられなかったけど、

落ちた瞬間に両足首に激しい痛みが走った。




「い………ったぁ………」




雪に埋もれながら情けない声を上げる私。




崖から落ちたおかげでとてつもないスピードを出していたスキー板はやっと止まった………けど。




「ここ…………どこ………?」



かなり奥まで滑ってきたみたい。



滑走コースで滑っているはずのみんなの声すら聞こえてこない。




早く戻らないと…………




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