さくらの花が舞う頃に
いやだ。
私は大きく首を横に振った。
「大橋さん……?」
いきなり黙ってしまった私に二人が心配そうに声をかける。
だけど、私の答えはもうひとつしかない。
「ごめん。私、二人とは友達になれない」
「え……」
二人が絶句する。
ちょっとかわいそうだけど、私にはこうすることしかできない。
「ごめんね」
私はそれだけ言ってその場を去った。
二人に悪いのはわかってる。
だけど…………
私は小さくため息をついて、今度こそ家に帰ろうと靴箱に向かおうとした。