さくらの花が舞う頃に
「さーくら」
すると、誰かに呼ばれた。
振り向かなくても声でだれかわかる。
「なんですか、吉澤先生」
見ると、いつにも増して整った顔立ちの先生がいた。
「お前新しい友達できてよかったな。夏本恵美と山本佳奈だっけ?」
夏本恵美さんと山本佳奈さんは、さっき私に友達になりたいと言ってきた子たちだ。
ってそんなことよりも………
「なんで先生がそんなこと知ってるんですか」
「んー?それは俺が天才だからじゃね?」
「立ち聞きしてたんですね」
先生の言葉をはっきり無視して私はそう言った。
「は?残念ながら俺、お前らの会話を立ち聞きするほどお前らに興味ないし。
俺がそのことを知ってたのは、たまたまここにいて聞こえちゃったからだけど」