さくらの花が舞う頃に
「さくら!!」
我に返った俺は、思わず崖を飛び降りてさくらのもとへ走った。
崖を飛び降りたときに少し足を痛めたけど、そんなこと気にしてられない。
「おい!さくら!!」
少し雪が積もったさくらの体を揺さぶる。
だけど、さくらの目は開かなかった。
「さくら!!おい、起きろって!」
それでも諦めずに、驚くほど冷たくなったさくらの頬を叩く。
起きろよ……………さくら。
さくらの体を揺すりながら、何度もそう願う。 すると。
「………う………… んん………」
俺の心の声が届いたのか、さくらが小さく声を漏らしながらうっすらと目を開けた。