さくらの花が舞う頃に
同級生で幼馴染。
そして、結衣は俺の元カノだった。
「バカかお前」
「もう!冗談通じないな~。最初から言うつもりないから安心して」
結衣が俺を肘でつつきながら言う。
そんな結衣とは対照的に、俺の心は晴れない。
結衣は昔から余計なことまでしゃべる性格だった。
冗談だと言いつつ、教師や生徒に「元カノ」だということをバラされたら困る。
それが万が一、さくらの耳に入ったら………
真面目すぎるほどの性格のさくらだから、新しく入ってきた先生と昔、特別な関係を持っていたと
知ったら、間違いなく俺を軽蔑するだろう。
結衣はあれこれと考える俺をしばらく見ていたが、やがて思い切ったように口を開いた。