さくらの花が舞う頃に




ガタン!



「ふざけんな!」



トイレのドアが乱暴に開く音がしたかと思ったら、女子の怒声が聞こえた。



「大橋さんがお高くとまってる?偉そう?お前らふざけてんの?

大橋さんは、ほんとはすごく優しい人なの!何も知らないくせにわかったような口きくなバーカ!」



「は?なんなんだよ、お前。けんか売ってんの?」



威圧感たっぷりに女子グループの子が言う。



すると、別の女子の声が聞こえた。



「けんか売ってる?けんか売ってんのはどっちだよ。

うちらの前で大橋さんの悪口言うなんて、そっちこそうちらにけんか売ってんの?」



「意味わかんねえし!お前らも」



「とにかく!」



グループの怒声を遮って、女子が叫んだ。




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