さくらの花が舞う頃に




「なんかあったんだろ?じゃなきゃ、お前が授業サボってこんなとこにいるなんてありえねーじゃん。

なにがあった?言ってみ」



先生の声は、いつもの意地悪そうな声でも、何かをたくらんでる声でもなかった。
 


私を心から心配してくれている声─────



私は何もかも先生に話すことを決めた。

  

説明はわかりづらかったと思う。



自分でも、途中で何を言っているのかわからなくなった。



でも、先生はちゃんと「うんうん」「そんで?」と相づちをうってくれた。




「……そっか。そんなことがあったんだな」



全部聞き終えた先生は、ちょっと難しい顔をしながらそう言った。




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