さくらの花が舞う頃に




それから数日後。



その日の二時間目は理科だった。



「夢愛ー!理科室いこー」



自分の席で理科の用意をしている夢愛に声をかける。



「ごめーん。理科の教科書忘れちゃったから、他のクラスに借りに行ってくるわ。

さくら、悪いけど先行ってて」



「わかった」



夢愛にそう言われ、私は一人で廊下を歩く。



すると。



「大橋さん!」



たまたま通りかかったクラスから、私を呼ぶ声が聞こえた。




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