さくらの花が舞う頃に




この声は………夢愛?



夢愛が女子と喋っている。



聞くつもりはなかったけど、私の心が勝手に聞き耳をたてる。



「私、赤杉くんのこと好きってちゃんと言ったよね?それなのに赤杉くんに超ぶりっ子してさ。

ほんとむかつくんだけど」



夢愛はだれかに怒っているみたいだ。



誰にでも優しい夢愛がこんなことを言うのが信じられなくて、私は少し驚いた。



「夢愛ってば性格わるー。他のみんなは知らないんだよね。

夢愛は表では優くて可愛い子だけど、裏では人の悪口ばっか言ってること」



夢愛と一緒に喋っていた女子の言葉を聞いて、私は自分の耳を疑った。




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