さくらの花が舞う頃に
新しい友達
「そっか。話してくれてありがとう」
全てを聞き終わった吉澤先生は静かにそう言った。
「関わらなければ裏切られることはないでしょ。
だからもう二度と友達なんて作らないって決めてたんだけど……」
「夏本と山本はそんなさくらと友達になりたいって言ったんだな」
先生の言葉に私は頷いた。
「最初は全然本気にしてなかった。
でも、今日の二人の行動を見て、どうすればいいのかわからなくなっちゃって……」
あの女子グループに刃向かったら何をされるかわからない。
それなのに二人は、私をかばってくれた。
だから、なんて言えばいいのかわからなくなったんだ。