さくらの花が舞う頃に
大丈夫、きっと言える。
「私、中学の頃に友達に裏切られて。それ以来、友達なんて作らないって決めてたの。
だけど、二人が優しくしてくれてほんとはすごく嬉しかった。だから……」
大丈夫。
二人はちゃんと聞いてくれてる。
私は二人の目を見ながらきっぱりと言った。
「私は、二人と友達になりたい」
言えた………
ほっとしかけたけど、まだ終わりじゃない。
二人の顔を見る。
どのくらいの間があったのだろう。
沈黙を破ったのは夏本さんだった。
「遅いよ………」