さくらの花が舞う頃に
副担任
裕翔side
「おはようございます」
「おはよう」
行き交う生徒たちにあいさつを返しながら職員室へ向かう。
すると、人混みの中にさくらの姿を見つけた。
その横に、笑顔で話す夏本と山本の姿が見えて、ほっと肩の力が抜けた。
よかった。
あのあと、さくらはちゃんと二人に自分の気持ちを言えたんだな。
夏本と山本が来てから、この後は三人の問題だと思ってその場から去ったのは俺だけど。
職員室に戻ってからも、あの三人がどうなったのか、気が気でなかった。
でも、ちゃんとさくらが言えたならよかった。
ちょっと安心して職員室へ歩き出そうとした時に、視線を感じたのか、さくらが俺の方を振り向いた。