大人の恋は波乱だらけ!?
昴さんと同棲する様になって早1週間と少しが経った。
私は彼の身の回りの世話、いわゆる家事を約束通りこなしている。
会社もあるから出来る範囲でだが……。

それなのに、昴さんときたら何の協力もしてくれない。
私が話を持ちかけても別の話へとすり替えたり、忙しいから後にしろなど、取り付く島もない。

昴さんは小説を書き始めると平気で何時間も部屋に籠る人だから、そもそも一緒に過ごす時間が多い訳でもない。
それに加え、彼は生活の為に何人もの女の人と会わなければいけない。
最早、私の為に時間を作ってくれる気がないのではないか、とさえ思えてくる。


「だからって今更……家を出る訳にも……」

「桜木?」

「え……?
あ……いやその……シナリオを考えていて!すみません!」


考え込んでいたせいで高梨部長と話している事を忘れていた。
反省しながら高梨部長を見上げると、彼の目の下にうっすらと隈が出来ているのが分かる。
寝不足なのだろうか……。
そう思って声を掛けようとしたが社員が高梨部長へと声を掛けるタイミングの方が早かったみたいだ。


「部長!資料の確認をお願いします!」

「おう、今行く。桜木、無理するなよ」


ポンッと頭を軽く叩くと高梨部長は社員の方へと歩いていく。
その後ろ姿を見ながら、無理やり自分を奮い立たせた。

私が頑張らないで誰が頑張るの?
昴さんに頼れない以上、自分で何とかするしかない。
1人で頷きながらパソコンにと向き合いインターネットを開く。

まずは大人の恋愛を調べよう。
ココを知らなきゃ何も出来ないもの。

そう思いインターネットの検索欄に【大人の恋愛】と打ち込む。
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