大人の恋は波乱だらけ！？
利益より大切なモノ
昴さんと仲直りをして1週間が経った。
それからというもの、私は恐ろしいほど順調な生活を送っていた。
公私ともに、だ。


「葉月ちゃん！キャラの確認お願い！！」

「はい！……流石、景子先輩！！もう感動で言葉が出ません！！」

「もー！大袈裟なんだから！！」


景子先輩とじゃれ合い、自分のデスクへと戻って行く。
【大人の恋愛】ゲームのシナリオも、いい感じで進んでいてあと少しで完成という所まで来ていた。
シナリオと同時に制作も始まっているから、このままいけば余裕で完成できるだろう。
やっと完成の目途が立ったという事もあり、社員の皆も大喜びだ。


「桜木！次の企画会議の準備は出来ているか？」


デスクでパソコンと向き合っていれば、後ろからポンと頭を撫でられる。
振り向かなくても誰かなんてわかるが、早く顔が見たくて急いで体ごと振り返る。


「勿論ですよ！高梨部長！」


笑顔を浮かべながら大きく頷けば、優しい笑みを返される。
彼の笑顔を見れば、どんな疲れでも吹き飛んでしまいそうになる。


「流石だな！期待してるぞ」


私の頭をひと撫ですると颯爽とその場を去っていく。
ただ歩いているだけなのだが、その姿は格好良い。
そんな高梨部長の姿を見て女子社員は黄色い声を上げて騒いでいた。


「部長って本当に格好良い！！」

「ヤバいよね！あの笑顔とか反則だよね！」


この場にいる女子社員たちは皆、ウットリとした様に高梨部長の背中を見つめていた。
相変わらずのモテ度合いに少し複雑な気持ちになる。
あんな完璧な人が私の彼氏でいいのか、未だに自信がない。
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