大人の恋は波乱だらけ!?
「こうなった原因は私にもあります。
だから、きちんと説明をします。
なので最後まで聞いてください!
聞いた上で批判なりなんなりして下さい!!」



頭を下げて『お願いします』と何度も繰り返す。
騒がしかったオフィスは徐々に静かになっていった。
顔を上げれば、皆は口を閉じて私の方に注目していた。
私は一礼をして、事の成り行きを話しだす。



「と、言う事です。
だから高梨部長は悪気があって黙っていようとした訳ではありません。
それだけは誤解しないで下さい!お願いします!!」

「……じゃあ、なんで葉月ちゃんは話してくれたの?」



景子先輩は優しく声を掛けてくれる。
皆からも怒っているという空気は伝わってこなかった。



「高梨部長は1人で抱え込もうとしているけど、それが正しいとは思いません。
彼の優しさを否定する訳ではないですが……そんなのちっとも嬉しくなんかない。
どんなに大変でも、どんなに辛くても、皆で頑張るから意味があるんです」



この想いが皆に伝わるって私は確信していた。
だって皆、高梨部長の元で一緒に働いてきた人なのだから。
その思いを裏付ける様に皆は話し出す。



「桜木ちゃんの言う通りだよね」

「そうそう!部長は1人で抱え込み過ぎだって!」

「俺たちだって、やる時はやるよな!」



皆は頷き合って、笑顔を浮かべる。



「俺たちは俺たちで頑張ろうぜ!売上2倍にする為に!」

「おう!」


皆の言葉が嬉しくて私は俯きながら涙を堪えていた。
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