大人の恋は波乱だらけ!?
「まっ……元々は今井さんたちに会って貰うのが目的でしたけど……。
どうやら気持ちが爆発してしまったみたいですね」

「テメェ……確信犯だろ……」

「さあ?どうでしょうね。
俺はただ……葉月の笑顔が見たいだけですから」


昴さんの問いにフワリと柔らかい笑顔を浮かべる仁さん。
その笑顔は私にも向けられる。


「葉月」

「仁さん……?」

「幸せになれよ」

「あっ……」


周りに花が咲き誇って見えるくらい綺麗な笑顔。

そんな笑顔に胸が詰まって声が出せない。

ぼんやりとぼやける彼の笑顔。

我慢出来ずに頬に温かいモノが零れ落ちる。


「ばか、言ったろ?俺はお前の笑顔が見たいんだ。
……涙を拭くのはこれで最後だ」


仁さんは私の目元を優しく拭う。


「仁さ……っ……」


涙が嗚咽に変わったのは彼の囁きが耳に入ったから。


「愛してた……誰よりも……」

「わたし……も……愛してました……」


声が詰まりながらも最後まで伝えれば、いつもと同じ優しい笑顔を向けてくれる。
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