大人の恋は波乱だらけ!?
本の間には指輪が挟まっていた。

ハートの形をしたブールダイヤモンドがついた指輪。
それはまるで婚約指輪みたいだった。


「ど……どうして……」

「あ?ずっと前に行った旅行でお前と見た海が忘れられなくてよ。
だから青にしたけど……気に入らなかったか?」

「そうじゃなくて!どうして指輪……!!」

「そんなの決まってるだろ?」


昴さんは指輪を取ると私の左手を持ち上げた。


「結婚するのはお前以外考えられない。
葉月だって……そうだろ……?」

「何それ……私たち付き合ってもないのに」

「ばーか、これから付き合うんだよ」


すっと冷たい感触が薬指に生まれる。
視線を向ければ指輪がはめられていた。


「ピッタリだな、流石俺」

「……ばかっ……」


悪態をついたのに昴さんは愛おしそうに私の頬を包み込むんだ。
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