大人の恋は波乱だらけ!?
「ふっふふ……アタシが1番結婚に近いかもね~!!」


満面な笑みを浮かべる明美に私と友輝は顔を見合わせながら固まってしまう。
いつもだったら売り言葉に買い言葉って感じで友輝に食って掛るのに……。
今の明美は幸せそうに顔を綻ばせていた。
そこから彼女の言葉が意味深だって事が分かる。

数秒の間が開いた後、私たちの絶叫がお店へと広がっていった。


「う……嘘だろう!?」

「明美って付き合ってる人いたの……?」


川田君の結婚話より衝撃だ。
明美は美人で明るい性格だけど、男勝りな所があって彼氏というものには無縁だった。
彼女自身も男なんていらないと、一生独身宣言をしていたのに……。


「言うのが遅くなってごめん!
実はそうなの~!もう凄く格好良くて……!!」

「……」

「……」


いきなり始まった明美のノロケに私も友輝も着いていけなくなってしまう。
明美は溜まっていた分のノロケを全て吐き出すように凄い勢いで話し出す。
それに伴いお酒を飲むスピードも早くなっていった。


「もう~本当にヤバいよ!
爽やかで……あの人の周りだけ花畑みたいなの!!」

「明美その話さっきも訊いた……ってか飲み過ぎ」


彼女の手からビールを奪うと届かない様に友輝の方へと追いやる。


「ちょっとアタシのビール!」


暫くごねっていた明美だったが再び彼氏のノロケを始めたのだった。
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