大人の恋は波乱だらけ！？

「つ……疲れたな……」

「……うん……」


私と友輝は同時に明美の方に視線を向ける。
酔い潰れたのか上半身を机に預けながら眠っていた。
その顔は幸せそうに緩んでいる。


「……なんか変な感じだね。
明美のノロケを聞くなんて……」


明美が幸せなのは勿論嬉しいし、彼女のノロケを聞くのは苦じゃない。
寧ろ微笑ましいけど……今まで見た事のないくらい幸せそうな顔をしていた明美を見ると少し哀しくなる。
私と友輝ではこんなに幸せそうな笑顔を明美にさせる事は出来ない。
顔も知らない明美の彼氏に嫉妬してしまいそうになる。


「まあな、でもコイツが幸せならそれでいいんじゃね？」

「そうだけど……」


やっぱり少し哀しいよ。
変わるなって言う方が無理だけど、いつまでも3人で仲良くいたい。
でも今日の明美は少し大人びていて少し遠く感じた気がした。


「……俺は変わらねぇよ」


私の心の声が聞こえたのか、友輝は真剣な顔で私を見つめてきた。


「え？」

「……俺はずっと、お前が知っている新田 友輝のままでいる。
だから……そんな哀しそうな顔するんじゃねぇよ」

「……うん」


私が頷けば満足そうに笑顔を浮かべる友輝。
自分のグラスを私に突き出すと小さく呟いた。


「変わらぬ友情に、乾杯」

「……乾杯！」


友輝の優しはいつまでも健在で私の心はほんのりと温かくなっていく。
そうだよね、彼氏ができようが明美は明美に違いない。
私たちの友情はいつまでも変わらない。

カルーアミルクを飲みながら友輝と笑顔を交わす。
もし、友輝に彼女が出来ても私は素直に喜べると思う。

友輝は何があっても変わらないと確信出来るから。