臆病者の偶像
死ぬ勇気を持てない俺は、よく妄想の中で自殺をする。
妄想の中で首を吊り、手首を切り、車道に飛び出して車に轢かれる。
実際にはそんなことはできない。あくまでも妄想だ。実に空しい妄想である。
踏切の遮断機が目の前に降りてくる。けたたましく警報音が鳴り響く中、線路の上にもう1人の俺を見つける。その俺が問いかける―
――お前はなんでまだ"そっち"にいるんだ
と。
次の瞬間、電車がもう1人の俺を轢き、見えない轢断遺体だけが線路上に残る。バラバラで、見るも無残である。俺は思わず顔を背けた。
妄想の中で首を吊り、手首を切り、車道に飛び出して車に轢かれる。
実際にはそんなことはできない。あくまでも妄想だ。実に空しい妄想である。
踏切の遮断機が目の前に降りてくる。けたたましく警報音が鳴り響く中、線路の上にもう1人の俺を見つける。その俺が問いかける―
――お前はなんでまだ"そっち"にいるんだ
と。
次の瞬間、電車がもう1人の俺を轢き、見えない轢断遺体だけが線路上に残る。バラバラで、見るも無残である。俺は思わず顔を背けた。