雪国ラプソディー
とりあえず、待ち合わせ場所まで行かなければ。
課長から聞いていた待ち合わせ場所は、駅の出入口だった。
少し歩くと、構内の端に大きなガラスのドアを見つける。
「あった。この辺かな」
確か、営業所の人が迎えに来るって聞いたような……。気が動転していたからあんまり覚えていない。一体どういう人が来るんだろう。
近くにはそれらしい人は見あたらなかった。
見知らぬ土地でひとりっきりという事実が、私の不安を煽る。
「もしかしたら外で待ってる、とか?」
意外と響いた自分の独り言が虚しい。
私はドアの向こうへ一歩踏み出した。外の空気を吸って、気分を変えよう。
「あっ」
顔を上げた私の、視界に飛び込んできた光景に息を飲んだ。