雪国ラプソディー

一面の、白。


さっきまでの吹雪は止んでいて、白い絨毯のような雪が出迎えてくれている。

吐く息は真っ白だし、体の芯まで冷えて寒かったけれど、見慣れない雪に興奮を隠せない私。


この上を歩いたら、雪の国のお姫さまみたいじゃない?!
なんて、子どものように一気にテンションが上がる。

思わず一歩踏み出した。初めての雪の感触は、一体どんなものだろう。


サクッ

ふんわりとしつつも、しっかり踏んだ音がする。不思議な体験だ。

「ふふっ、変な感じ!」


どこを見渡しても真っ白な世界で、私はその入口に立っている。仕事ということを忘れて、ザクザクとそこら中を歩き回った。


そうしていると、ロータリーの方に一段とふかふかして踏み心地の良さそうな場所を見つけた。
ラッキーなことに、車は一台もいない。
私は思わず駆け寄って、わくわくした気持ちのまま足を乗せた。


ズブズブッ


私の8センチヒールは、真っ白な深い闇に飲み込まれていった。

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