雪国ラプソディー
「ひゃああ!」
思っていたより深い。
完全に憶測を誤った私は、転ばないようにバタバタと両手を動かす。
すっかり忘れていたけれど、私の肩からは預かりものの精密機器がぶら下がっている。もし壊したら一大事だ。
何とかプロジェクターだけは守ろうと、肩からベルトを外したとき。
急にその重みが無くなった。
と、言うか。
プロジェクター自体私の手から無くなった。
「えっ?!わっ、あっ、きゃあああっ」
急に軽くなってバランスを崩した私は、顔から雪の上に落ちていった。