雪国ラプソディー
気まずくなった車内に小林さんを残して、私は逃げるように外へ出た。
時刻はまだ夕暮れ時のはずなのに、空はもう夜の顔だ。分厚い雪雲に覆われているため、星なんてひとつも見えない。ひんやりとした空気に、思わず身震いする。
そのまま急ぎ足で店に足を踏み入れた私は、店内をキョロキョロと見渡す。
明るい照明とテンポのいい音楽。ちらほら見える買い物客はゆっくり買い物を楽しんでいるように見えた。
――何が悲しくて、ここまで来て下着を選んでいるんだろう。
適当にパパッと決めてしまおうと、私は目の前のセール品を手に取った。