雪国ラプソディー
自分の気持ち
深呼吸をして車を降りると、ふかふかの新雪に出迎えられた。雪の結晶ひとつひとつが、太陽に溶かされて輝きを増している。
目の前に雪の壁のような斜面が続いていて、一部分だけ階段のようになっている。
その真っ白な階段を小林さんが上っていたので、足元に気を付けながら私も後ろに続いた。
「わあ……」
上りきると、大きな川が広がっていた。
今立っている場所が堤防だと知る。
川の流れは緩やかで、豊かな水量があった。光が水面に反射して、魚の鱗みたいに所々強く光っている。
そして、川の中にはたくさんの雪の塊が浮いていた。
違う、丸くて大きいそれは一瞬雪に見えたけれど、もそもそと動いている!
ひっきりなしに聞こえるのは、大きな声。
「小林さん、これは……」
「白鳥見るのは初めてだろ?」
想像もしていなかった光景に絶句する私を見て、小林さんは満足そうだった。